なぜ、今、里親が必要なのか?

特定の大人との愛着関係

なぜ、今、里親が必要なのか。。。それは、子どもが成長する上で最も大切な「特定の大人との愛着関係を育む」のに、里親家庭で養育することがとても有効だからです。

特に乳幼児期には、特定の大人との特別な繋がり、愛着関係がとても重要です。子どもは安心安全な土台があって、初めて外の世界へ興味をもち、一歩ずつ踏み出し、成長していきます。

愛着関係が十分育まれないまま育つと、自信が持てず、コミュニケーション能力が劣り、生きづらさを抱えるリスクが高くなるといわれています。

日本では、様々な事情で実の家族と住めない状況にある子ども達(「社会的養護」の必要な児童)は児童福祉施設などでの養育が中心となり、里親家庭で生活している割合は全体の約2割と非常に低い状況です。2016年の児童福祉法の改正に伴い、実の家庭での養育が難しい場合、まず家庭と同様の家庭環境=家庭養護(里親家庭や養子縁組家庭、ファミリーホーム)で子どもが養育されるよう国や地方自治体に示されました。 

横浜市でも、約700名の子どもたちが様々な事情で実の家族から離れ、施設や里親宅で生活しています。令和4年度で、横浜市の里親家庭やファミリーホームで暮らす子どもは124人(対して、乳児院と児童養護施設で生活する子どもは573名)と、まだまだ割合が少なく、又、里親委託率(社会的養護が必要な児童の内、里親とファミリーホームに委託している児童数の割合)は、17.8%と全国平均の23.5%を下回っている状況にあります。

近年児童虐待の増加により、少子化にも関わらず、実の家族と共に生活することができない子どもが増加しています。このような社会の変化からも、これまでたくさん心や体が傷ついてきた子どもたちには、里親の温かい家庭の中に迎え入れ、継続性のある環境において、子どもらしい安全と安心が守られる生活を送れることが、ますます必要となっています。

参考:横浜市児童相談所事業概要

里親等委託率の推移(横浜市及び全国)

出典:令和5年度横浜市里親更新研修